院長コラム

治療で外した銀歯について
── 当院の考え方

セラミックにやり替えたとき、外した古い銀歯がその後どうなったか、気にとめる方はあまりいません。でもあの金属、じつはお金に換わる価値があります。しかも、それを患者さんにお返しするか、医院で処分するかに、はっきりした決まりはないのです。医院ごとの慣習に委ねられているのが実情。当院での考え方と対応についてご説明します。

1

外した金属には、わずかながら価値があります

保険の銀歯は「金銀パラジウム合金」といって、金・銀・パラジウムなどを含みます。だから精錬すれば再資源化でき、金属としての価値がゼロではありません。とはいえ詰め物1個あたりの実額は小さく、「換金できる宝物」というほどのものではない、というのが正直なところです。

2

私たちが価値を置いているのは、金属ではなく歯です

たしかに外した金属には、わずかにお金に換わる価値があります。

でも、何よりも価値があるのは、これから何十年も使っていく、あなた自身の歯です。

だから金属をどう外すかを決めるときの基準は、ただ一つ。「残った歯へのダメージを最小にすること」だけです。そのため、外した金属が細かく砕けて、ほとんど残らないこともあります。

3

外した金属は、本来あなたのものです

費用を負担して入れた金属ですから、外れた時点でどう扱うかを決める権利は患者さんにありますが、一般的には衛生上の理由から返却せずに処分するケースが多いでしょう。当院は、ここを患者さん任せ・医院任せにしないために、治療が終わったときに外した金属を実際にお見せして、「お持ち帰りになりますか?」とお尋ねしています。

4

お持ち帰りを希望される方へ(事前にお読みください)

  • 衛生面口腔内にあった金属なので、消毒のうえ袋にお入れしてお渡しします。
  • 形・量は保証できません上に書いた理由で原形が残らないこともあるため、お渡しできる量や形はお約束できません。
  • お返しは無償のサービスです金属の返却は診療報酬の対象外ですが、当院のサービスとして承っています。お持ち帰りにならない金属がどうなるかは、次にご説明します。
  • お持ち帰り後について買取に出す場合は本人確認(古物営業法)などの手続きが必要で、手間の割に金額は小さいことが多いです。ご家庭で処分される場合は、お住まいの自治体の不燃ごみ・金属ごみのルールに従ってください。
5

お預かりした金属を、社会貢献にも役立てています

「お持ち帰りは結構です」とおっしゃった金属を、当院はすべて捨てているわけではありません。リサイクルに適したものは、日本財団と日本歯科医師会が運営する社会貢献活動「TOOTH FAIRY(歯の妖精)」に提供し、それ以外は感染性廃棄物として適正に処分しています。

TOOTH FAIRYに集まった金属はリサイクルされ、ミャンマーやカンボジアの学校建設や、国内で難病とたたかう子どもたちの支援にあてられます。当院は、この活動の協賛歯科医院として金属を送り続けています。

手放された小さな金属が、めぐりめぐって子どもたちの支援につながる。ささやかですが、患者さんと当院がいっしょにできる社会貢献のかたちだと考えています。

TOOTH FAIRYについて詳しく見る(外部サイト) ›

外した金属をどうするかに、正解はありません。お持ち帰りになるのも、こちらにお任せいただくのも、どちらも尊重します。ただ一つだけ譲らないのは、その金属の価値が、あなたの歯をどう守るかという判断に、決して影響しないこと。私たちにできるのは、その姿勢をお見せし、選択をきちんと委ねることだと考えています。

大原歯科医院 通うたび、もっとこころよさを。