当院では、リスクに応じて1〜12ヶ月ごとの定期検診を推奨しており、定期検診の意義は3つあると考えています。
1つ目は、お家での日々の歯磨き(セルフケア)のチェックです。
定期検診時には毎回、専用の器具を使ってお口の中の汚れを徹底的にお掃除(プロケア)してきれいにしますが、1日もすれば再び汚れが付き始めてしまうため、お家でのセルフケアがとても大切になってきます。
セルフケアのチェックを例えるなら、スポーツや筋トレなどを始めたものの、自主練習だけだと段々とだらけてしまったり、悪い癖がついてしまったり、伸び悩んだり、気が緩んだりしてしまったご経験はありませんか?
そのような時は、プロのレッスンを受けて修正したり、トレーナーに指導してもらったりすると思います。当院でも、定期検診時に歯磨きのチェックを行って、常に適切なセルフケアができるようサポートしてまいります。
2つ目は、定期的にお口の中の記録を取り続けるためです。
記録する項目は多義にわたりますが、歯周ポケットに変化がないか、むし歯の進行や再発はないか、詰め物や被せ物に問題は起きていないか、歯にヒビや欠けが出てないか、歯並びや噛み合わせの変化はないか、骨や歯ぐきに病気ができていないかなどです。
お口の中の変化を見続けることによって、一人ひとりのむし歯や歯周病、歯並びや噛み合わせのリスクなどを正確に判断して、適切なリスクコントロールを行うことができます。
毎年の特に、歯の治療をして人工材料を入れた部分は、経年劣化していつかやり直しが必要になる可能性が高いので、歯と人工材料の間に段差や隙間が空いてないか、浮いてきてないか、欠けたり割れたりしてないか注意深くみる必要があります。いち早く見つけて人工材料をやり直すことで、むし歯の再発などの問題を未然に防ぐことができます。
これは、自動車の車検システムと同じでしょう。仮に、車検で古くなったパーツが見つけられず、運転中にトラブルを起こしたら大問題であるのと同様に、お口の中もむし歯や歯周病が進行してしまうと歯の深刻なトラブルを引き起こすため、定期検診がとても大切です。
また、会社の健康診断などで食事や運動の指導を受けるのと同じく、むし歯や歯周病も日々の歯磨きや食生活、生活環境によって起きる生活習慣病の側面があるため、リスクが高くなった場合にはそういった生活習慣の見直しもご提案しております。
3つ目は、歯医者さんでのお口の中のお掃除(プロケア)です。
お家での日々の歯磨き(セルフケア)だけではなかなか取りきれない汚れも存在します。
例えば、汚れが固まって歯石になってしまうと歯磨きだけでは落ちなかったり、歯並びや親知らずの関係でどう頑張っても歯ブラシやフロスなどが届かないところなどです。
こういったところは、歯医者さん専用の器具を使って徹底的にお口の中の汚れをお掃除します。
例えるなら、毎日お洋服をお家の洗濯機で洗っていても、段々とお洋服の汚れが落ちにくくなってきたり、色の濃い食べ物やインクなどがお洋服について落ちなくなった時は、街のクリーニング屋さんに出すのと同じでしょう。
大切なお洋服を定期的にクリーニング屋さんに出すように、お口の中も定期的に専門的なクリーニングで清潔に保ちましょう。