精密治療のご案内

精密治療とは

お口の中は、暗く狭く視野や操作野の確保が難しく、また歯や骨の形態、走行する神経や血管は三者三様です。特に、『歯髄』と呼ばれる歯の神経は非常に複雑で、処置に際して0.01mm単位での繊細な扱いが要求されます。

そういった従来では見ることができなかった歯や骨の中などを可視化することで、原因不明で治らなかった歯や治療不可能と宣告された歯を救うことが精密治療の目的です。

当院でも使用している『マイクロスコープ』『歯科用CT』『Ni-Tiファイル』などの精密機器は『歯内療法の三種の神器』と呼ばれ、歯を救うための歯内治療や歯周組織再生療法などで真価を発揮し、またインプラント治療など1mm単位で神経や血管との位置関係の精度が要求される外科処置の際にも有用です。

お口の中を知ろう

1gに1,000億個もの細菌がひしめきあう世界

実は、お口には約700種類もの細菌たちが生息しており、唾液1㎖中に1〜10億個もの細菌が存在しています。中でも、歯の周りに付着する白い塊=デンタルプラーク(歯垢)は1g中に1000億個もの細菌がひしめき合っています。そういった細菌たちがむし歯や歯周病の原因であるため、唾液やプラークの中に感染源がいることを考慮しなければ再発や悪化を繰り返してしまいます。例えるなら、蛇口から出ている水を止めない限り、いくらバケツに溜まった水を空にしようとしても、またバケツに水が溜まってを延々と繰り返しているようなものです。

Schedule

治療を成功させる秘訣

蛇口の水を止める(再発させない)ためには、大きく分けて3つありますが、これらの精密治療は、口腔内環境のコントロールに時間を有し、そして質の高い人工材料を用いてこそ実現できるもので、基本的には保険外診療となります。

細菌量を減らす

1つ目は、根本的にお口の中の細菌量を減らすことです。そのためには、徹底的なプロケアを行いながら日々のセルフケアのモチベーションを高め、お口の中の衛生状態を改善してから治療に臨むことです。

装置の着用

2つ目は、治療する歯にプラークや唾液が入り込まないよう、ラバーダムやズーと呼ばれる装置を着けて治療を行うことです。

セラミックス治療

3つ目は、耐用年数の長いセラミックで歯を覆うことです(帯冠効果が発揮されて歯の破折に抵抗し、また高い接着効果によって細菌が入り込むコロナルリーケージを防ぎます)。

Past Case

症例のご案内

感染根管治療及び破折ファイルの除去.他

主訴:50歳の男性の方です。他院で治療を受けた右上6番の被せ物の下がむし歯になって根管内に感染を起こしており、根尖孔外には破折した器具の一部が確認できます。
治療内容:感染根管治療及び破折ファイルの除去、e.maxクラウンによる補綴を行いました。

治療期間3ヶ月
通院回数5回
治療費18.15万円

治療結果:レントゲン上にて根尖病巣の縮小を認め、良好な経過が得られてます。
一般的なリスクと副作用:感染根管治療の成功率は100%ではありません。感染根管治療中はフレアップといって術後に強いお痛みが出る場合がございます。破折ファイルの折れている位置によっては除去出来ないこともございます。e.maxクラウンは長期間の使用や、強い衝撃が加わると割れることがあります。

感染根管治療及びMTAセメントによる穿孔部位の封鎖

主訴:30歳の女性の方です。他院で治療を受けた右上1番の土台の下で歯に穴が空いてしまっており、そこから感染を起こしてその周囲の骨がなくなってしまっています。
治療内容:元々入っていた被せ物は外さずに、裏側からアプローチして感染根管治療及びMTAセメントによる穿孔部位の封鎖を行いました。

治療期間1ヶ月
通院回数2回
治療費66,000円

治療結果:レントゲン上にて病巣の縮小を認め、良好な経過が得られてます。
一般的なリスクと副作用:感染根管治療の成功率は100%ではありません。感染根管治療中はフレアップといって術後に強いお痛みが出る場合がございます。穿孔部位の大きさ、位置、感染の広がりなどによって、MTAセメントによる封鎖が適応外となる場合があり、すべての穿孔においてMTAセメントによる封鎖が奏功できるわけではありません。その場合には、外科処置によるリカバリー、もしくは抜歯となることもございます。

歯周基本治療及び歯周組織再生療法

主訴:50歳の男性の方です。他院にて右下7番を抜歯しなければならないと言われ、セカンドオピニオンをご希望されて来院されました。
治療内容:右下7番の重度歯周炎の診断のもと、歯周基本治療を行った後、歯周組織再生療法(Bio-Oss &Emdogain®︎gel併用)を適応しました。

治療期間8ヶ月
通院回数8回
治療費11万円
と保険治療

治療結果:治療前のCT画像を見ると右下7番の遠心に大きな骨吸収がありますが、歯周組織再生療法半年後の 再評価のCT画像を見ると骨様の組織が確認されます。歯の状態も、治療前は右下7番遠心の歯周ポケットが12mmでしたが、再評価時は3mmと良好な結果を得られています。
一般的なリスクと副作用:外科処置になりますので、術後に感染リスクや腫れや痛みなどの症状が出る可能性があり、術後1ヶ月は創部を安静にしていただく必要があります。歯周組織再生療法の成功率は100%ではございません。特に喫煙者の場合は成功率が低いと報告があります。すべての歯周病に対して、歯周組織再生療法による歯周組織の回復が見込める訳ではありません。また、歯周組織再生療法による歯周病の改善には個人差があります。

 

骨を増やす処置とインプラント

主訴:40歳の女性の方です。他院で治療を受けた右上5番が歯根破折により保存不可能なため、インプラントをご希望されて来院されました。
治療内容:CT上でインプラントを埋め込む骨が足りなかったため、右上5番抜歯時に骨を増やす処置(赤丸部分)を行い、インプラント治療へ移りました。

治療期間10ヶ月
通院回数6回
治療費49.5万円

治療結果:抜歯時に骨を増やす処置を行ったことにより、最小限の介入で適切な位置にインプラントを埋入することができ、良好な結果を得られました。
一般的なリスクと副作用:外科処置になりますので、術後に感染リスクや腫れや痛みなどの症状が出る可能性があり、術後1ヶ月は創部を安静にしていただく必要があります。インプラント治療や骨造成の成功率は100%ではございません。特に喫煙者の場合は成功率が低いと報告があります。骨を増やす処置を行っても、意図した骨の量に出来ず、追加で骨を増やす処置が必要になる場合があります。すべての症例において、骨を増やす処置だけでインプラント治療ができる訳ではありません。インプラントはむし歯にはなりませんが、セルフケアや定期検診など適切な管理を怠ると歯周病になり、脱落するリスクがあります。

 

自家歯牙移植とセラミックス修復

主訴:30歳の女性の方です。右上6番が大きくむし歯になって保存不可能なため、インプラントをご希望されて来院されました。

 

治療内容:インプラント治療も可能でしたが、右上に親知らずが残っていたため、しっかりとご説明して患者様がご納得の上、右上6抜歯と同時に親知らずの移植を行いました。

治療期間4ヶ月
通院回数6回
治療費15.4万円

治療結果:親知らずの移植は保険内診療で行い、セラミックスの被せ物を入れて治療することで、インプラント治療と比較して費用を抑えて治療することができました(移植の難易度が高い場合は自由診療となる可能性もございます)。移植から5年が経過していますが、歯の違和感もなく、良好な経過を辿っています。

 

一般的なリスクと副作用:外科処置になりますので、術後に感染リスクや腫れや痛みなどの症状が出る可能性があり、術後1ヶ月は創部を安静にしていただく必要があります。移植治療の成功率は100%ではございません。また、移植して数年してから、移植した歯と骨がくっついてくるアンキローシスを起こすことや、移植した歯が徐々に吸収してなくなってくることなど長期的な経過が不安定ですので、定期検診でしっかり経過を見ていくことが大切です。

予防歯科 一般・小児歯科

大原歯科医院

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