この時期になると、以下の理由により、むし歯リスクが今までよりもググッと上がります。
①3歳頃にはお子さまのお口にむし歯菌が定着すること
②すっかり歯が生え揃って色々なものが食べれるようになること
③保護者の手を離れて外で過ごす時間が長くなること
実は、お子様のお口の中にむし歯の原因菌がいるだけではむし歯にならず、そこにむし歯菌の栄養源となる糖分が合わさると、むし歯菌がプラークと酸を作って歯が溶けてむし歯ができます。
そのため、食習慣や生活環境の変化が起きやすいこの時期は、砂糖の入った食べ物や飲み物の摂り方に注意が必要です。
現代において、砂糖を一切摂らない食生活は不可能に近いですが、上手くバランスを整えることでお子さまのむし歯発症は防げますので、そのポイントについてご説明いたします。
1つ目は、甘い食べ物や飲み物はメリハリをつけ、だらだらと摂らないよう意識しましょう。
具体的には、間食の時間をしっかり決めて習慣化し、それ以外の時間はなるべく砂糖が入ったものは摂らないよう心がけましょう。
一般的に、1日2回までの間食であれば、むし歯リスクになりにくいと言われています。
意外と盲点なのがスポーツドリンクなどの砂糖が入った飲料水で、汗をたくさんかいた時や、風邪をひいてしまった時などはもちろん必要ですが、日常から水分補給をスポーツドリンクや炭酸飲料、乳酸飲料などで行うことは避けましょう。
2つ目は、この時期に歯磨きを習慣化しましょう。
まだ歯磨きする習慣ができてない場合は、ご自宅で保護者が歯磨きしてるのを見て、お子さまが気にしたり真似したり興味を持ったときがチャンスです!
お子さま自身の歯磨きと保護者による仕上げ磨きを一気に習慣化させましょう。
その歳、くれぐれもお子さまが歯ブラシを咥えたまま歩いたり走ったりしないよう注意しましょう。
できれば、朝・(昼)・晩のお子さま自身の歯磨きと、1日1回の保護者による仕上げ磨きとフロスを導入しましょう。
効果的にむし歯予防するために、お子さまがブクブクうがいできるようになったら、フッ素濃度が950ppm前後の歯磨き粉を歯ブラシの毛先1/2程度(小豆一粒サイズくらい)に乗せて歯を磨き、歯磨きが終わったら少量の水で一回だけお口をゆすぎましょう(例え、歯磨き粉を飲んでしまったとしても、常習的に飲み込んでなければ心配する量ではありません)
ブクブクうがいができないうちのフッ素入り歯磨き粉の使い方は、「0〜2歳の歯磨きアドバイス」をご参考ください。
この時期は、まだお子さま自身だけで完璧に歯を磨くことはできないのですが、「自分の歯は自分で磨く」という意識と習慣付けが大切です。
余談ですが、フロスに関しては、フルーツ味がついたものですと、お子さまが喜ぶため導入しやすくおすすめです。
3つ目は、この時期は永久歯(大人の歯)をむし歯にさせないための予行練習期間と考えて気楽にいきましょう。
そのため、この時期は将来に影響が出るような重度のむし歯でなければ、あまり治療にこだわる必要はないです。
なぜなら、乳歯(子どもの歯)は数年で生え変わるため、かえってお子さまが嫌がっている状況で、無理やり歯を削って恐怖心を植え付けてしまったり、協力が得られず精度の低い治療になって再発してしまう方がマイナスです。
しかし、なぜむし歯ができてしまったかを真剣に考える必要があり、このまま環境が改善されなければ、"お子様にとって100年使う"とても大切な永久歯もむし歯にさせてしまう可能性が高いです。
「乳歯のむし歯は、永久歯もむし歯にさせてしまう危険信号」と捉え、お子さまの将来を守るために一緒に対策を考えていきましょう。
むし歯予防以外にも、お食事の際の姿勢やお口の使い方、指しゃぶりや頬杖など様々な癖や習慣が将来的な歯並びや噛み合わせ、お口周りの成長に影響を与えるため、お子さまの健康なお口の発育を考えると、この時期に悪習癖を見抜き、適切なお口の使い方を習得できると良いでしょう。
当院では、親身に楽しく、一人ひとりのお口の健康を守れる方法を考えておりますので、お気軽にご相談ください。