むし歯と歯周病の病因論について

むし歯と歯周病の病因論について

2022年9月2日

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むし歯と歯周病からお口を守るためには、プラークの除去が非常に大切です。

プラークとは、食べ物の残りカスが歯の表面に付いて細菌が増殖したもので、白くてネバネバしています。

いわゆる“細菌の巣”のようなもので、なんと1g中に1000億個もの細菌が存在していて、その中にはむし歯や歯周病の原因菌も存在しています。

歯の表面に付着したプラーク中のむし歯原因菌に栄養源となる糖が合わさると、細菌が酸を作って歯の表面のカルシウムやリンなどのミネラルを溶かす脱灰が起こります。

これに対して、唾液中のカルシウムや歯磨き粉に含まれるフッ素などのミネラルが再び歯の表面に取り込まれることで再石灰化が起こるため、実際には歯の表面はミクロなレベルで常に溶けては固まって(脱灰と再石灰化)を繰り返しながら歯の健康が保たれています。

しかし、歯の表面にプラークが付いたままの状態が長時間続くと、再石灰化が追いつかなくなり、むし歯原因菌が作った酸によってどんどん脱灰が進んで、目に見えるレベルまで歯が溶けてしまったものをむし歯と呼んでいます。

同じく歯周病も、歯の表面に付着したプラーク中に含まれる歯周病原因菌が毒素を出し、これに対して歯ぐきの防御機能や、悪いものをやっつける体内の免疫細胞によって、歯を支える歯ぐきや骨の健康が保たれています。

しかし、歯の表面にプラークや歯石が付いたままの状態が長時間続くと、歯周病原因菌の毒素によって歯ぐきの防御機能が失われ、細菌と体内の免疫細胞の戦いが拡大し、その結果歯ぐきから血が出やすくなったり、痛みや腫れがでたり、歯ぐきや骨が痩せたりするものを歯周病と呼んでいます。

ちなみに歯周病原因菌の栄養源は糖ではなく、アミノ酸や血液成分のタンパク質など体内に存在するのものなので、歯周病予防の観点では食習慣以上にプラークや歯石の除去が非常に重要となってきます。

当院では、定期的に歯磨きのチェックとプラークや歯石の除去を行い、一人ひとりのむし歯・歯周病リスクに合わせた予防方法を考え、お口の健康を守る方法をご提案いたします。